公共交通オープンデータ協議会
国土交通省 総合政策局 情報政策課
国土交通省 総合政策局 モビリティサービス推進課
公共交通オープンデータ協議会(会長:坂村 健 東京大学名誉教授)と国土交通省は、2026年2月21日(土)に、INIADホール(東京都北区・東洋大学赤羽台キャンパス)にて、「公共交通オープンデータチャレンジ2025 -powered by Project LINKS-」(以下「本チャレンジ」)の最終審査会および表彰式を開催し、入賞作品を選定して表彰しました。
本チャレンジには国内外から約600人の開発者がエントリーしました。事前の一次審査を経て13作品がファイナリストに選出され、本最終審査会で最終プレゼンテーションを行いました。審査の結果、最優秀賞1作品、優秀賞4作品、審査員特別賞5作品などの入賞作品が決定しました。

ファイナリストおよび審査員
本チャレンジは、多数の公共交通関連のデータや国土交通省のオープンデータを一般の開発者に公開し、それらを活用したアプリケーションを開発、応募していただく、賞金総額300万円のアプリケーションコンテストです。東日本旅客鉄道株式会社、東京都交通局をはじめ24社局の鉄道事業者、104社局の2路線バス事業者、330組織のコミュニティバス、28組織のフェリー事業者、4社の航空・空港関係事業者、2社のシェアサイクル事業者、さらにデマンド交通に関連して3事業者9自治体にご協力をいただき、前回を上回る過去最大規模のコンテストとなりました。さらに、国土交通省総合政策局情報政策課による「Project LINKS」および、国土交通省総合政策局モビリティサービス推進課による地域交通DX推進プロジェクト「《COMmmmONS》(コモンズ)」と連携するとともに、国土交通省「ほこナビ」事業と連携した28件の地上28箇所、および12駅の東京都交通局・大江戸線構内の歩行空間ネットワークデータも活用し、オープンデータによるイノベーションの創出、「交通空白」の解消に向けた作品を広く募集しました。
最終審査会の冒頭、主催者である公共交通オープンデータ協議会を代表し、審査員長の坂村 健は「本チャレンジは通算6回目の開催となり、回を重ねるごとにご協力いただける交通事業者の数も増え、過去最大規模のコンテストとなりました。公共交通分野のデータフォーマットであるGTFSの国際的な標準化を進めるMobilityDataにも、特別協力としてご参画いただいています。これまでの鉄道、バス、航空、フェリー、シェアサイクルに加え、“交通空白”解消が大きなテーマとなる今回のチャンレンジでは、デマンド交通に関するオープンデータの公開も新たに開始しました。国内外から約600人の開発者にエントリーいただき、一次審査を経て選出された13作品のファイナリストの皆さんには、ぜひ自信を持って発表に臨んでいただきたいと思います」とコンテストの概要を説明しました。
また同じく主催者である国土交通省を代表して、国土交通政策審議官の池光 崇は「今回のコンテストでは、500にのぼる交通事業者の皆様のご協力のもと過去最大規模のオープンデータ化を実現しました。今、喫緊の課題となっている“交通空白”は地方だけでなく都市部も含めた全国的な課題です。担い手不足により交通サービスの供給制約が強まるなか、学校や病院、商店などの統廃合が進み、むしろ交通サービスの需要は拡大しています。“交通空白”の解消にはデータの標準化やオープンデータ化の推進、データの活用といった地域交通DXの推進が不可欠です。本日発表される作品がオープンデータを活用した地域交通の課題解決につながるものになることを願っています」と期待を寄せました。
その後ファイナリストにより最終プレゼンテーションが行われ、6名の審査員による厳正な審査が実施されました。審査の結果、最優秀賞は「Safe Pedal」に決定しました。優秀賞として「Waaalk – 歩いて、乗って、冒険へ。」「コミバスをつくろう!」「ノッタヨ」「Mobiviz -デマンド交通分析システム-」の4作品が受賞し、審査員特別賞には「Traffic Echo」「すわれ~る」「東京終電マップ|TOKYO LAST TRAIN MAP」「「めぐる」都営バス遅延予測システム」「エモルート」の5作品が選ばれました。
審査員長の坂村 健は、以下のとおり講評しました。
「本チャレンジは6回目の開催となりますが、毎年作品のレベルが着実に上がっていると感じます。今回のファイナリスト作品は、公共交通を快適・楽しく利用するもの、地方創生・地域活性化に貢献するもの、安全な移動を支援するもの、高齢者・障碍者・ベビーカー利用者等の移動を助けるものと、大きく4つの方向性に分かれており、いずれも明確な課題意識に基づいた作品でした。技術面では、AIを積極的に活用する作品が増えたことに加え、公共交通オープンデータセンターが発信するデータをベースとしつつ他機関のデータを組み合わせて新たな価値を生み出す作品が多く見られたことは、大変心強く感じました。今年度初めて公開したデマンド交通データや歩行空間ネットワークデータを活用した作品も多くあり、この点もうれしく思います。全体としていずれも甲乙つけがたい力作ぞろいでした。オープンデータを活用したイノベーションの可能性がますます広がっていることを実感できる、大変充実した審査会となりました。入賞された皆さんをはじめ、本チャレンジに参加いただいたすべての方々に感謝申し上げます」
また審査員の国土交通省 総合政策局 モビリティサービス推進課 総括課長補佐/Project LINKSテクニカル・ディレクターの内山 裕弥は、以下のとおり講評しました。
「国土交通省では、地域交通DX推進の観点から、公共交通分野のデータの標準化や活用拡大に取り組んでいます。今回のファイナリスト作品は、いずれも独自のアルゴリズムやデータ収集によって地域課題を解決しようという明確なビジョンを持った作品がそろい、全体的にレベルが高くなったと感じています。GTFSをはじめとする公共交通データだけでなく、国土交通省が公開するさまざまなオープンデータを幅広く活用し、自治体の政策立案支援や“交通空白”の解消といった国土交通省の施策と高い親和性を持つ作品も多く見られました。AIを活用したバイブコーディングが全盛の時代においても、解決したい課題への強いビジョンと技術・データへのこだわりこそが優れた作品を生み出すと実感しました。今後もオープンデータを通じたイノベーションの創出に向けて、皆様とともに取り組んでいきたいと思います」
各入賞作品およびその詳細につきましては、以下の公共交通オープンデータチャレンジ2025 -powered by Project LINKS-」の公式Webサイトに掲載しておりますので、是非ご参照ください。
https://challenge2025.odpt.org/
公共交通オープンデータ協議会では、今後も公共交通オープンデータ関連イベントの開催や、公共交通データの配信プラットフォームである「公共交通オープンデータセンター」の運営等を通じて、日本の地域交通DXをさらに加速してまいります。
公共交通オープンデータ協議会について

公共交通オープンデータ協議会は、公共交通事業者およびICT事業者等159団体(2026年2月24日現在)で構成される、産官学連携の協議会です。鉄道、バス、航空、フェリー、シェアサイクルの分野において、公共交通関連データのオープン化に向けた活動を行っています。2019 年5月より、さまざまな交通機関のデータをワンストップで提供する「公共交通オープンデータセンター」を運用しています。
Project LINKSについて
Project LINKSは、国土交通省の分野横断的なDX推進プロジェクトです。これまで活用されてこなかった様々な行政情報を「データ」として再構築し、これを活用できるようにすることで、データに基づく政策立案の推進(EBPM)や、新たなビジネス創出(オープン・イノベーション)の実現を目指します。
地域交通DX推進プロジェクト「COMmmmONS」について

「COMmmmONS(コモンズ)」は、地域のモビリティ資源をすべての人にとってアクセス可能な共通の社会基盤=“コモンズ”として捉え、サービス、データ、マネジメント、ビジネスプロセスの4つの柱で地域交通の課題解決をもたらすDXのベストプラクティス創出とその成果の標準化および横展開を推進します。
問い合わせ先
公共交通オープンデータ協議会事務局(YRP ユビキタス・ネットワーキング研究所内)
担当: 柏、山田
電話:03-6426-9192
E-mail:odpt-office@ubin.jp
「公共交通オープンデータチャレンジ 2025 -powered by Project LINKS-」入賞作品一覧
| 賞 | 作品名 | 応募者名(敬称略) |
|---|---|---|
| 最優秀賞 | Safe Pedal | 同志社大学経済学部宮崎耕ゼミ「Claude Ko」川内葵偉・小林亮太・三河響・河村柚希・丹羽健太・佐々木小雪・中田実里 |
| 優秀賞 | Waaalk – 歩いて、乗って、冒険へ。 | いちたすいちは |
| コミバスをつくろう! | coins dawn 五十嵐・中島 | |
| ノッタヨ | 森 健太朗 | |
| Mobiviz -デマンド交通分析システム- | Team Mobiviz (チーム モビビズ) | |
| 審査員特別賞 | Traffic Echo | 大武亮太・立野圭一・川島僚介 |
| すわれ~る | 松林 由佑 | |
| 東京終電マップ|TOKYO LAST TRAIN MAP | 加藤 創(@chizutodesign) | |
| 「めぐる」都営バス遅延予測システム | 樋口 義樹 | |
| エモルート | 李 東燕(い どんよん) | 特別賞 (JR東日本賞) | EkiLink | 中央大学情報工学研究部 |
| 特別賞 (Project LINKS賞) | STAYLINE | 同志社大学経済学部宮崎耕ゼミ「Optimus」阿部翔平・猪飼蒼・𡧃𡧃野慎一郎 |
| すわれ~る | 松林 由佑 | |
| 「めぐる」都営バス遅延予測システム | 樋口 義樹 | 特別賞 (INIAD賞) | ふみレコ | 横浜市立大学データサイエンス学部佐藤彰洋ゼミ |
| EkiLink | 中央大学情報工学研究部 |
